「成長」から「成熟」へ
西ドイツは、自国内だけで完結した産業構造を形成せず、EECの内部での最適分業の原理に任せつつ、そこから最大限の利益を引き出すことに成功しました。
・・・言い換えれば、「奇跡の成長」を続けながらも、開いた経済体制を構築し、次の安定成長期への無理のない移行を着実に準備していたのです。
西ドイツが実力の伯仲するパートナーに恵まれたことは事実ですが、それらの国々との共存のもとに全体的なスケールアップを目ざしたその戦略は評価されます。
自前主義と輸出志向でひたすら成長路線を走り抜けようとした日本との大きな違いがここにありました。
「奇跡の50年代」を経て、西ドイツはヨーロッパ最強の経済大国の地位を得ました。
ヨーロッパの一員として復帰する道が、同時にヨーロッパを基盤とし、そこをこえることによって世界経済へ飛躍的に参入していく近道でもあったのです。